ヨハニログ

ヨハニ少年へ②~かっこよくなりたかった少年へ~

第1章 大学に入っても、まだ行き先は分からなかった

大学時代を振り返ってみると、高校時代とそれほど大きく変わっていなかったように思います。

「将来は、これをやりたい」

そんな明確なものがあったわけではありません。

人生の目的地が、はっきり見えていたわけでもありません。

ただ。

大学時代には、高校までとは少し違う変化がありました。

私は、いろいろなことに興味を持つようになりました。

陶器。

茶道。

読書。

歴史。

地域の活動。

気になったことがあれば、実際にやってみる。

興味を持ったものがあれば、少し覗いてみる。

そんなことを、あれこれやっていました。

今思えば、大学時代の私は、たくさんの種をまいていたのだと思います。

第2章 何のためになるのかなんて、考えていなかった

当時の私は、

「これは将来、何の役に立つんだろう」

なんて、いちいち考えていませんでした。

陶器を見て、

「面白いな」

と思えば触れてみる。

茶道に興味を持てば、やってみる。

本を読んで、

「もっと知りたい」

と思えば、また読む。

地域の活動に興味を持てば、参加してみる。

ただ、それだけです。

それらが将来の仕事につながるとも思っていませんでした。

人生の役に立つとも思っていませんでした。

ましてや、何十年も後になって、

「そういえば、あの頃から陶器が好きだったな」

「今でも茶道に興味があるな」

などと思うことになるなんて、考えてもいませんでした。

でも。

今になって振り返ると、それで良かったのだと思います。

人生には、

「すぐに役に立つもの」

だけではないのかもしれません。

その時はただ面白かった。

その時はただ興味があった。

その時は、ただやってみたかった。

それだけでもいい。

もしかすると、人生というのは、そういう小さな「気になる」をたくさん抱えながら進んでいくものなのかもしれません。

第3章 そして、社会人になった

そんな大学時代を過ごして、私は社会人になりました。

ここで、また新しい電車に乗ることになります。

それが、営業の仕事でした。

学生時代とは、まったく違う世界です。

営業には、分かりやすい部分がありました。

目の前に課題がある。

それに取り組む。

結果が出る。

そして、その結果を誰かが見てくれる。

私は、たまたま良い上司にも恵まれました。

仕事を教えてもらい、頑張ったことを認めてもらう。

少しずつ営業成績も上がっていきました。

そして、

「よくやったな」

「頑張っているな」

と声をかけてもらえるようになりました。

すると。

あれほど人生について悩んでいた私が、

ちょっと褒められただけで、ものすごく元気になりました(笑)。

そして、今度は猛烈な勢いで走り始めます。

第4章 あれほど悩んでいたのに

今思えば、本当に不思議です。

学生時代の私は、

「自分は間違った電車に乗った」

と、人生そのものを大きな問題として考えていました。

ところが社会人になって、

仕事をする。

結果を出す。

褒められる。

評価される。

すると、それまでの悩みが、いつの間にか吹き飛んでいました。

「もっとやってみよう」

「もっと結果を出したい」

そんなふうに思うようになっていました。

人生の答えを見つけたわけではありません。

自分が何者なのか分かったわけでもありません。

ただ、目の前にある仕事を頑張ったら、誰かが認めてくれた。

それだけです。

でも、それだけで人は前を向けることがある。

当時の私は、人から評価されることを力にして、どんどん前へ進んでいきました。

今振り返れば、私はかなり「人の評価」を軸にしていたのだと思います。

でも、そのことを疑ったことはありませんでした。

それで良かったのです。

少なくとも、その時の私には。

今回、気づいたこと

こうして振り返ってみると、大学時代の私は、まだ自分の未来をほとんど分かっていませんでした。

でも、だからといって、何もしていなかったわけではありません。

陶器に興味を持った。

茶道をやってみた。

本を読んだ。

地域の活動にも参加した。

気になるものがあれば、手を伸ばしてみた。

それが将来何になるのかなんて、考えていませんでした。

ただ、気になったからやってみた。

そして社会人になったら、今度は営業という仕事に出会い、褒められたことをきっかけに、猛烈に走り始めた(笑)。

今の私から見ると、ずいぶん不思議な人生です。

でも。

一つだけ、今なら分かります。

あの頃の私に見えていた未来は、実際の人生よりずっと狭かった。

自分が想像できる範囲で、

「きっと人生はこうなる」

と思っていただけだった。

でも、実際の人生は、その範囲を簡単に飛び越えていった。

人生には、自分では予想していなかった人との出会いがある。

仕事との出会いがある。

興味を持つものとの出会いがある。

そして、自分自身が変わっていくこともある。

だから今、もし昔の私と同じように、

「この先の人生は、きっとこうなる」

と思っている人がいるのなら。

もしかすると、まだ見えていないだけなのかもしれません。

人生は、自分が想像できるところまでしか続いていくわけではない。

その先にも、ちゃんと道は続いている。

私も、あの頃は知りませんでした。

まさか40代になって、自分の少年時代を振り返りながら、こんな文章を書いているなんて。

あの頃の私には、そんな未来は見えていませんでした。

だから。

ヨハニ少年。

あのとき君が「間違った」と思っていた電車も、まだ途中だったんだよ。

あの頃の君には見えていなかった景色が、その先にはちゃんと待っていた。

人生は、自分が考えられる未来より、もう少し広いみたいだから。

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