こんにちは ヨハニです。 ※本ページはプロモーションを含みます。
今回は普段、意識することなく使っている陶器や磁器について書いていきたいと思います。

1 陶器と磁器の違い
そもそも、皆さんは陶器と磁器の違いってご存じでしょうか?
そんな細かいこと意識していないよ、という方が大半ではないでしょうか。
①材料
陶器は粘土を使って作られます。
磁器は石を砕いた物を使って作られます。(※粘土も混ぜる)
粘土と石。この2つの違いにより陶器と磁器の特徴が見えてきそうですね。
②作り方
大きく違う点の一つが燃焼温度。
陶器は800℃から1250℃。じっくりと温度を上げながら焼き上げるのに対して
磁器は1200℃から1400℃。陶器より高い温度で焼かれます。
③強度
陶器は材料である粘土と焼き上げる温度により磁器より割れやすいです。
反対に時期は砕いた石と高温でしっかりと焼き上げられているので陶器より割れにくいです。
(※陶器の焼成温度の1250℃も十分高いと思いますが…)
④見た目
陶器は粘土からくる土のあたたかさ、磁器は堅い石から発せられるガラスのような硬さとクレバーな感じ。
色合いも陶器は釉薬を活かした色合い豊かな作品群。磁器は素材の石からくる白を基調とした色合い。
⑤見分け方
・音
簡単な方法は叩いてみる事です。
陶器は鈍い音。磁器は高い音。コレです。
なかなか、日常生活で陶器か磁器かを見分ける事はないと思いますが…
・光
陶器は光を通しませんが磁器は光を通します。
こちらも日常生活で懐中電灯を持って食器を照らす事はないと思いますが…
2 歴史
陶器
日本で焼物が登場したのは縄文時代と言われています。
縄文時代と言えば縄文土器。
縄文土器は粘土を材料にし紐で模様を施した器たちです。
言わば精製されていない粘土を低温で焼成した釉薬がかかっていない陶器ですね。
磁器より先に陶器が誕生しました。(※少し極端ですが…)
磁器
時代は戦国時代。豊臣秀吉が朝鮮半島に攻め込んだ朝鮮出兵に端を発しています。
その時に朝鮮の磁器職人達を連れて帰り、焼き物を焼かしたのが始まりと言われています。
有田焼などがそうです。
有田焼は現代でも人気の焼物ですね。磁器=有田焼と思ってもらったらわかりやすいですね。
陶器と磁器
こうして比較してみると日本で誕生した時が大きくかけ離れているのがわかりますね。
陶器は縄文時代で約1万年前。磁器は1610年代と言われているので約400年前。
特に食器などは機能性だけでは比べる事が出来ないので一概にどちらが優れているとは言いがたいですね。
3 六古陶

日本六古陶(にんほんろっこよう)とは中世から現在まで生産が続く代表的な6つの窯の総称です。ただし圧倒的なシェアを占める美濃焼は除外されています。美濃焼以外の伝統的な窯を紹介する事が目的となって選別されています。
産地
①瀬戸焼→愛知県瀬戸市
②常滑焼→愛知県常滑市
③越前焼→福井県丹生郡越前町
④信楽焼→滋賀県甲賀市
⑤丹波立杭焼→兵庫県丹波篠山市今田町立杭
⑥備前焼→岡山県備前市伊部
昭和に作られた総称です。
4 江戸時代の庶民の食器

それでは江戸時代の人々、庶民はどんな器で食事をしていたのでしょうか。
調べてみるとメインは木で作られた器だったそうです。
確かにそうですよね。木よりも壊れやすいし作るのに手間のかかる陶器や磁器は使えないですよね。
個人的には木の器も作るの大変そうだなと感じてしまいますが、そこは現代の木の器を想像してしまうからなのでしょうか。
もっと雑な作りの木の器だったでしょう。(※証拠なし)よく、アニメで見る中世ヨーロッパの片田舎で使用されているような分厚い木の器をイメージしてしまいます。
江戸時代後期にもなると大量生産が可能になったのか、一般庶民にも陶磁器の器が使われるようになったようです。
5 現代の器
100円均一でも陶磁器の器をよく目にする事があります。
工業製品としての器と言っても良いでしょうか。日常使いでは十分な作りの器です。
かたや、陶芸家の方が作られた一品ものの陶磁器も各産地で今も作られています。
どちらも、ニーズがあるので普及している、生き残っているということでしょうか。
個人的には手軽に手に入れる事が出来る100円均一の器とこだわりを手に入れる事が出来る芸術品の器。
どちらも必要です。もちろん、一般家庭である我が家にはそうそう陶芸家の方が作られた陶磁器を購入する事は出来ません。
焼物好きの私が気に入ったものを時に購入するくらいですが。(一年に一回あるかどうか…)
しかし、素晴らしさがわかるので残って欲しい。活かされて欲しいと思う気持ちはあります。
他力本願ですが是非、飲食店の方には積極的に陶芸家の方の作品を使ってもらいたいものです。
6 まとめ
こうして見てみると庶民に陶磁器が普及しだしたのは江戸時代中期以降のようです。
縄文土器などは主に調理や神事に使われていたようで、食器が主な使用用途ではなかったようです。
木の器が江戸時代中期までがメインだったとはイメージが違っていました。
そう考えると陶磁器を使って食事をするのは江戸時代中期以降なので長い日本の歴史を考えると最近と言っても
過言ではないでしょう。
何とか手軽に陶磁器で食事がしたい。そういう願望から100円均一の食器が産まれたといっても良いでしょう。
日本人の陶磁器への親しみを感じざる負えません。日本人のDNAのなせる業でしょうか。(大袈裟!?)
日本人と陶磁器の関係性は現在進行形と言えるでしょう。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。